レッスンを始める前に
音楽教室は、初めての習いごととして来られることが多く、小さなお子様にとって不安なことが多いと思います。まずは講師がどんな人なのか、ここはどんな場所で、安心していられる場所なのかを感じてもらう事が一番だと考えております。ですから、講師の人柄とここがピアノを学ぶ場所であるこということだけ分かってもらえれば、第一段階はクリアです。最初に2人きりが不安でしたら、もちろん慣れるまでお家の方と一緒に居ていただいて結構です。
(知らない人と初めて二人きりは、なかなかないシチュエーションです)
小さなお子様は、1回のレッスンで多くのことを学ぶのは難しいですが“小さなできた!”を沢山体験し、分かる・知っていることを1つずつ増やし、嬉しい・楽しいを実感することがとても大切です。
最初にそのことを体験できれば、少し難しいことも意欲的に取り組めるようになります。
お子様が小さければその分時間がかかるかもしれませんが、長い目で温かく見守ってください。
最初ゆっくりスタートしたから、上達しないということは決してありません。
ゆっくり、一歩ずつ時間をかけて確実に進んで行く方が、後で急激に上達することもあります。(詰まったシャワーが開通したように、どんどん溢れてくるということ)
先週は楽しくレッスンしたのに、今日はもう嫌だ!と言ってこられるお子様もいらっしゃいます。安心してください。そんな時は必ずあります。大人でもありますよね。小さいお子様は、はっきりとした理由がない場合が多いです。なぜなぜ?と問い詰めず、行きたくないことを聞いてあげて、なだめ励ましながら、休まず教室に通って来られることが大切です。嫌な時は行かなくても良いというのでは、その後のレッスンにも、また別の習いごとをしても同じようなことになってしまうかもしれません。レッスンは出来ないかもしれませんが、教室で楽しい時間を過ごして帰ってもらう事を1番に考えます。たった1回か2回レッスンでピアノを弾かなかったということは、大した問題ではありません。
休まずによく来てくれたという気持ちで、お迎えしますので、ご安心くださいね。
(20年の間、何人もそういう経験をしましたが、少し休憩したここで影響があったことはありませんよ)
レッスン内容
ごあいさつ
何ごとも挨拶で始まりますね。当教室では始めと終わりのあいさつは私も一緒に。
右手と左手
右手と左手、両手を覚える(右⇒赤 左⇒青)
赤青カード・手ぶくろ・動物カード
指番号
左右対称の指番号はこの時期にしっかり覚えます。
音+指番号を同時に読むことに混乱してしまわないようスピードよく言えるようにします。
番号カード・番号ブロック・番号シール
音読み
ドレミファソラシドの色を決めています。
ド ⇒ あか
レ ⇒ きいろ
ミ ⇒ みどり
ファ⇒ オレンジ
ソ ⇒ みずいろ
ラ ⇒ むらさき
シ ⇒ ピンク
導入時は音に色を塗って、音を読むというよりも、色で音が分かるようにします。
色おんぷカード・色おんぷフェルト
色シール・五線おんぷカード
色おんぷ観覧車
リズム
音楽は音の高さとリズムの組み合わせで出来ています。
音が同じでも、リズムが違えば全く別の曲になってしまいます。
ある一定の速さに合わせて手拍子をしたり、講師の手拍子を真似したり
リズム言葉を使ったりして、体にリズムを入れていきます。
りんごカード・リズムカード・リズム言葉カード
ソルフェージュ
小さい頃から、音程が一定である楽器をもとに、声を出すことはとても大切です。
それは、平面な楽譜を声に出すことで高低のある音楽をイメージして立体化し、全てを一体化して表現することが音楽の中心だからです。
小さい生徒さんは、知っている曲や簡単な曲を音名で歌うことで、一定の音程を体(耳)に入れていきます。
小学生以上の生徒さんは、新曲視唱で歌っていきます。
うたうソルフェージュ・五線音名カード
ピアノやフルートを演奏する時、楽譜(音+リズム+運指)を見たことが脳に伝わり、それが体の筋肉に伝達され音を奏でています。弾いた瞬間にまたすぐ次の音を読んでいくという、かなり高度なことをしているわけです。そこに演奏する人それぞれの音色という個性が足されていきます。
生まれてまだ3、4年程しかたたない小さなお子様が、これを同時に全てするのは、なかなか
大変なことです。ですから導入期には、音を読むこと・リズムを読むこと・指番号どおりに
動かすことを、それぞれに出来るようにしていくことに時間をかけています。
ノートやカードは出来るのに、ピアノの前に座り楽譜になると弾けないということが、多々あります。それぞれに苦手な部分を得意にしていくことが、大切です。
譜読みが苦手だった子も、ずっと長く続けていることでいつの間にかスラスラ読めるようになり、譜読みが速くなってくると、どんどん練習して上達します。
お子様の成長に合わせたレベルの曲で、1つずつクリアしていく楽しみを経験していって
もらいたいと思います。