大内 孝夫 著 「ピアノ習ってます」は武器になる を読んで
気になっていた、大内 孝夫 著 「ピアノ習ってます」は武器になる を読みました。
なるほど納得することが沢山書かれていて、とても興味深かったです。
ますます、音楽(ピアノレッスン)の重要性を感じ、レッスンにどんなことを取り入れていこうかなど、改めて考え直す良い本でした。
保護者の方で、この本が気になった方がいらっしゃれば、貸し出しいたしますよ!
本の中から少しだけ抜粋し、お伝えします。
『ピアノは脳にいい』は本当か?
~脳の【能力】~
最近「脳科学」という言葉が、テレビなどさまざまなメディアで頻繁に使われるようになりました。とはいえ、その歴史はまだ浅く、脳科学は「最近の学問」と言ってもいいほどです。
私も驚いたのですが、「脳科学」という言葉を生み出したのは、日本なのだそうです。
東京大学先端科学研究センターフェローの小泉秀明先生によれば、「脳科学という言葉は日本で誕生し、それが海外に出て行った」
とのことです。
脳は人間とそれ以外の動物との圧倒的な違いを示す器官ですから、動物実験では分からないことが多く、その機能は長らく謎に包まれていました。しかし、ここ20~30年の科学技術の急速な発展により、fMRIやPETスキャナーなどが開発されたことで、脳の活動状況をリアルタイムで観察ができるようになり、さまざまなことがわかってきました。例えば音楽に関する働きでは、次のようなことです。
●好きな音楽を聴いたり、音楽に感動すると、食事で美味しく感じたり、性的感情を抱いたりする際と同じように、「報酬系」の
脳部位が活性化し、大量のドーパミンが放出される。逆に気分の悪い音楽を聴くと,扁桃体という部位が働き恐怖心が植え付けられる。
●脳は好きな曲を聴くだけで活性化するが、演奏することによる活性化はその比ではなく、全身運動を行っているのと、ほぼ同じ
レベルにある。
●一般に数理や論理は左脳、感情や価値は右脳と言われるが、演奏では脳全体が活性化される。拍子は右脳の特定部位、リズムは左脳の特定部位など
各部位が役割分担をしながらも、各部位間で緊密な情報のやり取りが行われている。また、ピアノの場合、11歳位までは練習時間が長いほど、右脳と左脳を結ぶ脳梁がどんどん発達し、それ以降脳の発達と練習量の相関関係は薄くなる。
● 脳全体が活性化する中でも顕著なのは、視覚野、聴覚野、運動前野。運動前野の働きは、体全体の運動機能がピアノと大きく
脳は 関わっていることを意味している。
● 一般に、脳は集中して一つのことに取り組むのに向いており、同時処理(マルチタスク)は苦手だが、演奏するときには
驚くほど多くの情報量を同時処理している。ピアノは左右の手の動きどころか、指一本一本がまったく別の動きをするよう求
められる上、目で楽譜を追いながら、足でペダルを踏む究極のマルチタスク動作。楽器演奏の中でも特に脳を強く刺激し、
その発達を促すと考えられている。
人間の脳は、「使えば使うほど増え、使わなければ使わないほど減る」性質も持っています。ですから、
習慣的に毎日行うお稽古などは、脳にいい影響があると考えられます。
以上。
どうですか?続きが気になりませんか?
良かったらどうぞ・・・